3月2日午後8時、岸田総理大臣がウクライナから避難した人たちを日本へ受け入れることを表明しました。
これに先立って、ヴァレリ先生より「家族を国外に避難させて日本へ呼び寄せたい。隣国のどの国へ行かせるべきだろうか?」と問われました。
遠く日本でネットやテレビのニュースでしか情報を得ていない私には判断はつきません。これらのニュースも中にはフェイクが混ざっているということも耳にします。
どこの誰が最新の正しい情報を知っているんだろう。
外務省
ダメ元で外務省の代表電話にかけて事情を説明したところ、外務省外国人課ウクライナ担当の方が対応してくださいました。
電話の向こうで一緒に外務省ホームページ(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000472926.pdf)を開いて教えてくださいました。
(1)トップページ最下部 →ビザ→ 申請書類「身元保証書」をダウンロードし記入
(2)申請者(ウクライナから国外へ避難した人)に (1) の写真を送り
(3)申請者は在外日本大使館へ行き「身元保証書」の写真を見せる
(4)各在外日本大使館がビザを発給
(5)日本へ渡航
以上が手順です。

では、どの隣国へ?
隣国といえばポーランド、ハンガリー、ルーマニア、モルドバ、スロバキア。
難民支援団体UNHCR
難民が急速に増加している報道もあっていたので、難民支援団体の一つUNHCRのホームページで情報を探しました。
2022年3月1日時点での情報がありました。
UNHCR、ウクライナ国内、近隣国に避難した人々への支援を実施 – UNHCR Japanシャビア・マントゥunhcrスポークスパーソン報告(2022年3月1日) unhcrが収集した最新の政府のデータによると、この6日間で、約66万人の難民がウクライナから近隣国に避難しています。www.unhcr.org |
報道されている通り、ポーランドへ避難している人数が最も多いこと、ポーランド側に入れば様々なサポートが用意されていること、国境検問所では3日間位待たなくてはいけないというようなこと等が書かれていました。どの隣国へも入国したら、難民として保護を受けられる証明?が発行され、その後の行先は自分の意思で決められるとのことでした。
現在の状況、
・小さな子供と病後の高齢者が家族に含まれていること
・現在地がモルドバとルーマニアの国境近くに避難していること
上記を鑑みて、現時点ではルーマニアを選択した方がいいかなと判断しました。
在日ルーマニア大使館
報道では「隣国へ避難する際にはパスポートが不要であること」については聞いていましたが、ヴァレリ先生から念のため確認してほしいと頼まれましたので、在日ルーマニア大使館へ電話しました。
時刻が18時を過ぎていたため通常営業は終了していました。そこでホームページに掲載されていた緊急電話番号に電話しました。
私「もしもし?」
ルーマニア大使館員「Do you speak English?」
仕方がなかったので英語で事情を説明しパスポートなしでの入国が可能か尋ねました。
答えは報道の通り「OK」でした。この有事に際し、現在どの隣国もパスポートなしで入国できるようになっています、と付け加えられました。
在ルーマニア日本大使館 領事班
一応、在ルーマニア大使館へもウクライナ人を日本へ呼び寄せる手続きと手順を確認しておこうと思い国際電話をかけました。「日本の外務省ではこう言われたのに、現地ルーマニア日本大使館では違うことを言われて手続きできない」という状況は、母国語を話されるウクライナのご家族には負担が大きすぎます。
私「Hello.もしもし、日本語大丈夫ですか?」
交換?「はい、お待ちください」
領事班の方が日本語で親切丁寧に対応してくださいました。内容も日本の大使館の方に説明された通りの手続きで間違いありませんでした。
しかし、国境を越えた後に何をしたらよいのか、どうなるのかがよくわからなかったので、事前にご家族に大まかな筋書きを説明できるよう大体の内容を教えていただきました。
まずルーマニア国境で入国手続きをしたら、難民として保護対象者であることの証明書をもらい、食料等必要な物資と宿泊できるところが用意されているだろう。そしてそこから大使館までは自力で移動しないといけない、とのことでした。3月3日現在100万人といわれるウクライナからの難民の方々を毎回お迎えに行くことは困難であることはわかります。が、ウクライナとルーマニアの国境から首都ブカレストの日本大使館までは直線距離で約600km。心配です。
ヴァレリ先生は、ルーマニアまで迎えに行きたいとも話されていましたので、日本からルーマニアへ迎えに行き日本へ再入国は可能か聞いてみました。水際対策による再入国制限等が懸念されるからです。日本からルーマニアに入国の際にはワクチン接種証明書が必要で、ルーマニアから日本へ出国する72時間前までにPCR検査を受けて陰性証明をもらって日本へ向けて出国し再入国となるそうです。感染防止水際対策は日々変わることがあるため日本への再入国の際にはすべきことをしっかり確認して準備すること、注意が必要です。
国境(ウクライナールーマニア)→ 在ルーマニア日本大使館

グーグルマップで国境シレト(ルーマニア国境検問所)の近く、車で約15分くらいの所スチャバに空港(SCV)を見つけました。
そしてエクスペディアで航空便を検索し、スチャバ空港からブカレストのアンリ・コアンダ空港までは約1時間15分、空港からはタクシーを利用できれば15-20分で日本大使館まで行けることがわかりました。
身元保証書の写真を日本大使館で見せた後はビザ発給を待って、日本までの航空券を用意し、日本へ渡航です。ビザ発給までに何日かかるのかは現時点で不明であるとのことだったので、家族で宿泊できるところもエクスペディアでおおよその検討をつけました。
まとめ
(1)日本で「身元保証書」を記入、その写真を避難しているウクライナ人に送る
(2)避難した隣国にある日本大使館へ行き、「身元保証書」写真を見せる
(3)日本大使館がビザを発給する(通常は3営業日で発給だが状況によって変動)
(4)航空券を身元保証人が用意する
(5)日本へ渡航・入国する
(6)出入国管理局で手続きする(あると思います)
(7)身元保証人の支援を受け日本に在留する
※在留している間に学校、就職等の生活基盤を整えて、就労が決まったら在留資格変更手続きをしないといけないと思います。
※「身元保証書」写真だけ用意すれば良いとは言われましたが、ご家族が持っているウクライナ国内用パスポートや出生証明書の写しにアルファベット表記を追記するなどの+αをあらかじめ準備しておいた方が関係各所(大使館、空港、入国管理局、役所等)での手続きがスムーズになるのではと思います。
※3月2日に電話で問い合わせた結果をまとめました。今後変更があるかもしれませんので各所への再確認は必要かと思います。
(追記)パスポート
国際パスポートを持っていない場合どうしたら良いか?
日本には馴染みがありませんが、ウクライナ人16歳以上は国内パスポートをIDとして持っています。(16歳未満までは出生証明書)
3月7日時点で、在ルーマニア日本大使館領事班に確認したところ、基本的には国際パスポートがなければビザ発給も航空券購入もできない。しかし、現在どの国のウクライナ大使館も対応が十分にできていないため、日本の外務省と相談。現在日本の外務省にも同様の問題が上がってきているため、対応を協議中とのことでした。
急な避難で国内パスポートも出生証明書も何も持ってこれてない人もいるようです。

思い
私にとっても初めてのことですが関係省庁においても対応協議中。
ご家族が安全に日本の地を実際に踏めるまでは
全力で出来得る限りの支援とお手伝いをします。

何としても。
言葉や文化、食べ物、習慣等の違いがあっても歩み寄って、母国への想いをしっかり汲み取ってサポートできる仕組みになりますように。きっと在日しているウクライナの方々も日本での経験を共有していかれることと思います。
地方自治体
ウクライナの方々がこちらに来られた場合の救済措置をお願いするメールを各所に送信いたしました。
筑紫野市役所
人権対策担当「現在は政府の具体的対応措置についても連絡が来ていないが、筑紫野市として何か仕組みを作り準備をしていきたいと考えるため、これから議題として上げて話し合います」
佐世保市役所
市長「市役所本庁及び各支所に募金箱を設置して赤十字やユニセフに寄付します」
国際政策課「佐世保市に在住しているウクライナ人を把握し、でき得る限りの支援をしていきたいと思います」
長崎市議会
平和への声明発表
