早いもので2022年もあと僅かとなりました。季節もすっかり寒さ厳しい冬、クリスマス、年末です。 新年を前に今年を少し振り返ってみたいと思います。

悲しい2022年
「今年も元気に楽しく踊りましょう」と新年を迎えましたが、翌2月、ロシアによるウクライナ侵攻がはじまりました。そして、それは10か月経った今も続いています。家族や大切な人たちと過ごすことが多いこの季節ですが、本国にいる方々、避難のために世界中に離散をしなければならなった方々がいます。ウクライナの友人に聞いた話によると「この冬は厳しい寒さをしのぐ電気も不十分で、1日3時間だけ電気が使えるとなっているけど着いたり消えたり。その間に子供が勉強したり必要な活動をしている」・・。胸が痛みます。一日も早く戦争が終結し、ウクライナの方々が以前の生活を取り戻せる日を願います。

感謝の2022年
悲しい2022年となった一方で.ウクライナから避難してきた方々のために様々な人たちからの支援を受け、感謝の一年でもありました。
・チャリティ支援
街頭募金(佐世保市)、チャリティ販売(週末出店31回、販売場所無料提供3か所)、チャリティイベント、生活物資学生支援(長崎大学、日本経済大学)、チャリティレッスン(これまでの参加者計37名)、
避難者児童チャリティレッスン(ウクライナ児童2名)
ウクライナで社交ダンスを習っていた避難者の女の子が、ヴァレリ先生の佐世保ジュニアレッスンに参加しました。当人、ご家族も「日本の教室でウクライナ語でレッスンを受講できて驚きと感謝です」と言われていました。一緒にレッスンを受講した佐世保ジュニアの生徒さんもとても喜んでいました。

・公的支援
出入国管理局(ビザ発給、避難者カード発給、避難者面談、言語サポート、情報提供他)、市役所、法務局、銀行(口座開設)
・医療支援
医療提供(歯科、救急含)、保健所(感染症対策)
・教育支援
小学校、保育所
・就労支援
ハローワーク、UAコミュニティ
・生活支援
市役所(環境整備、健康相談他)、コープ共済(食料支援)、日本財団、ソフトバンク
・その他支援
日々の連絡を密にしてくださる小学校の校長先生、全人道的に支援しますと必要な医療が受けられる近医を探してくださった晴海台クリニック院長先生、チャリティのために無償で場所を提供してくださる喫茶店「野絵瑠」とスタジオKO-ON、チャリティ販売を支えてくださった関係者の皆さん、言葉の壁を乗り越えて職場指導してくださる担当の方々、他支援者の皆さん

医療機関では・・
子供さんが体調を崩した際には、不安で心配がつのり冷静でいられないこともありました。相互理解の必要性を感じ、保護者さんに治療方針を説明するとともに、医師・看護師さんへウクライナの医療について説明し寄添う対応を求めたこともありました。患者さんの主訴を何とか理解しようとパソコン翻訳機能を準備して診察してくださったお医者さん、事前に電話で丁寧に問診をしてくださった歯科の先生。様々な違いに戸惑うことがあっても、何とか力になろうとしてくださる気持ちは言葉が通じなくても伝わりました。
学校生活では・・
ランドセル・絵具セット・水泳道具・鍵盤ハーモニカ等は知り合いの方が譲ってくださり、夏冬体操服とゼッケン・赤白帽子・上靴と上靴入れ他、色々な準備はネット注文ができたので助かりました。
日々の宿題、時間割、準備物、行事、給食、連絡物、面談等については、校長先生が密に連絡を取ってくださり、出来得る限り連絡漏れがない体制を整えてくださいました。
学校にウクライナ児童を専任でサポートする人材を派遣していただきました。




携わってきた避難者の皆さん(佐世保市、筑紫野市)
「日本に避難して来てたくさん支援していただいて感謝の気持ちでいっぱい。本当にありがとうございます。」 と、何度も言われます。
避難してきた当初は「ウクライナにすぐに帰れる、帰りたい」という強く切ない思いがひしひしと感じられました。今もその思いは変わらないと思いますが、戦争の長期化を受け、避難地での生活を安定させなければと各々異なる立場で努力され、日本語、日本の慣習、日本で働くこと、医療体制と概念の相違、公的機関の手続き、学校生活や行事への関わり等々、知って学んで経験を積まれています。
命に関わる現場で働いているわけではありませんが目の前の事象について「命に関わるのかどうか」を何度も考えた2022年でした。繰り返しますが、本当に多くの方々が支援してくださり心より感謝しています。
2023年
世界中に離散した方々がウクライナで日常を取り戻すことができるまで寄り添いたいと思います。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
今年も大変お世話になりました。
健康で平和な新年を心から祈ります。

「どうしてこんなに助けてくれるの?」
「逆の状況だったらきっと助けようとすると思うよ」
「そうね」
2022年クリスマス
ヴァレリ先生の佐世保ジュニアレッスンを受けた女の子から歌のクリスマスプレゼントが届きました。とても温かい気持ちになりました。